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38話 その冷徹の裏に

last update Date de publication: 2026-07-11 08:52:48

目が覚める。

(泣き疲れて眠ってしまったのね……)

そう思いながら病室の中を見る。夜なのか、部屋が暗い。かなり時間、眠っていたんだろう。天井を見ながら考える。

一ノ瀬の家での不味い食事……あれの中には私の記憶を混濁させる薬が盛られていた。そのせいで私は九条征哉とのあの夜をつい最近の事だと誤認していた。お腹の中の赤ちゃんを本能的に守ろうとしていたのか、私は無意識にその毒入りの食事を吐き出していた……。

ふふ、と笑う。

(母親の本能なのね……)

そう思いながら私は微かに痛む下腹部を撫でる。

目頭が熱くなって、鼻がツンとする。涙が溢れて来る。

そうやって私が無意識に、母としての本能で守った子供は……残酷にも奪われてしまった……。

微かに記憶の中に残る声……。

“アレは残しておけ”

彼らの言う“アレ”とは一体、何の事なんだろう。

私の子供の亡骸か……もっと他の何かか。

半年前に九条征哉と関係を持って、その時の子供だとするならば、私の子は六カ月だった筈だ。寝返りを打って、枕もとのスマホを手に取る。

妊娠六か月なら、もしかしたら私の子は取り出された後も生きていたかもしれない。

そんなふうに微かな
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